Public Performance
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Earth Art Publication
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屋久島2016 アースアートプロジェクト「天水の島」
「鹿児島港から、高速艇で約2時間半、世界自然遺産の島・屋久島に到着する。海中の花崗岩が隆起して出来た島で、首位130km、ほぼ円形に近い地形に、九州の最高峰・宮之浦岳などの山地が拡がる。
南の海からやってくる湿った空気が、洋上アルプスの異名がある山々にぶつかり、「月のうち、35日は雨」と言われるほどの大量の降雨をもたらす。その雨水が、花崗岩の急峻な地形を流れ落ちるため、ミネラル成分の乏しい超軟水で、いわば純粋に近い形で保たれている。
森の中を滴る水、岩肌を滑り落ちる滝、川の透き通った水―、花崗岩で出来た島を覆い尽くすような水は、世界にも例がない、もっとも天の水に近い島だと合点して、「天水の島」プロジェクトと命名することにした。」
池田一「<天水の島>宣言」より
水主最前線の動く日@安房港
「水主」とは、「もっとも重要な資源である水を、未来に送り届ける人」が増えることを願って、アジアで展開してきたムーブメントである。その中で、もっとも純水に近い水と共に暮らす屋久島の人たち、中でも常に水と共生している漁師たちを、「水主最前線」と呼ぶことにした。
日本最大の漁獲量を誇る、飛び魚漁が盛んな屋久島。その飛び魚漁船15隻が、自らの「未来への、水の送り手」の大旗を船首に掲げて、港をパレードする。芸術や文化に余り見向きもしない漁師たちが、アートの主役になったことに注目したい。
漁港から列をなして登場した漁船15隻は、次第にサークルを形成して、ゆっくりと回転する。この漁船が描き出す巨大な円環は、平和への祈願の渦と見るか、地球との穏やかな対話のサークルととらえるか―。
いったん外海へと出た漁船は、人々が見守る岸壁に向かって、一列横隊に並ぶ。権現太鼓に合わせて、一列に並んだまま、ゆっくりと前進する。岸壁で見守る人々の拍手喝采は、次第に大きくなり、かつてない感動が出現した。アースアートの、人を揺り動かすダイナミズム。更に、どこへと向かうのか―。