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 ART CROSSING 創刊号 特集:池田一&WATERS(2017)

published by TPAF

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......アートも自然も人間も、生成・流動的で不確実なものである。昨今言われる「繋がり」や「絆」も流動的で不確実だからこそ新たに繋がり得るのではないか。従って私達が開かれた社会、開かれたアートを望むならそのような無常の世界に喚起する以外に生きるすべはないのかもしれない。従って大事なのは私達人間は自然や世界との静的な共生を望むより、動的で無固着な共生成(あるいは共創成)にあるのではないだろうか。

これこそまさにアート・クロッシングの理念そのものなのである。                (河合孝治)            

以上の理念表明で始まる『アート・クロッシング』は、河合孝治氏によるアートと人間、自然、世界との開かれた関係を模索しようという画期的な出版企画である。このような理念のもと、池田一が創刊号の特集を飾ったのはむしろ当然と言えよう。池田一自身の手による密度濃い文章、インタビュー、資料、加えて宮田徹也氏や織田理史による池田一論を始め、多様な執筆者陣のほとんどが水というテーマのもとにユニークな論考を展開した。池田一がつけた副題、「水たちよ!」とはまさに的確な呼びかけであり、今後も複数的かつ単数的な在り方をもつ公共的な物質である水がごとく、アート・クロッシングがより多くの人々に開かれ、多くの特異性を開花し、それを共有していくことを望む。

                     (織田理史) 

『水藝術時報 The WaterArt Times』2002、台北

 発行:台北市政府文化局

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台湾・台北市の郊外の住宅地に取り囲まれるようにして、池の周りに広がる公園がある。文字通り、大湖公園。そこで、「2002台北公共藝術節 Taipei Public Art Festival」が、親水宣言をテーマにして開催された。台湾では、公共施設、この場合は汚水処理施設を造営する場合に、予算の一部をアート事業に割り当てなければならないという法律がある。そこでのコンペに、選出されたプロジェクトに、海外からの招待アーティストとしては池田一のみが入っていたのである。

主催者側から、「公園の周りのコミュニティの住民たちへの呼びかけ」を要請された。そこで提案し実現したのが、参加者に配布する新聞の発行である。『水藝術時報 The WaterArt Times』、タブロイド版6ページ。全ページ、池田一の水藝術の提案で、『Water-in-Life to Water-in-World』と呼びかけている。中国語に直せば、「従『生活水源、生活水文』到『世界水源、全球水文』」となる。

作品は、池の上に「水の家」が列をなす「水の集落」を設置した。観客は、長い柄の杓子を使って、「水の家」の屋根の煙突から水を注ぎ入れ、水耕植物を育てるというアクションに、多くの人が参加した。『水藝術時報 The WaterArt Times』の呼びかけの成果である。

                     (池田一)

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