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Future Compass:
rooted water
未来羅針盤 : 多根の水
ロイヤル植物園、バーリントン、オンタリオ、カナダ 2009
『未来羅針盤:多根の水』は、
生態系的に持続可能な未来への
隙間を押し広げてみせる拡大鏡のようなものだ。

世界有数の植物園だけに、植物の種類は多い。その中から、さまざまな種類の枝を集めることにした。真ん中には、カナダの国の木であるメイプルの太い幹。その周りを糸杉、オーク、フジ、松、桜などの枝木が取り囲む。問題は、真ん中の導管に当たる部分を、細かい竹筒で覆って水を溜めたいのだが、カナダに竹はないというので、鹿児島産の竹を使用。実に、生物多様性に富んだ「新しい根っこ」が出現した。

二つの幹が出来上がると、大量の枝木を周りに配置する。といっても、並べるのではなく、無造作にまき散らすといった方がいい。そして、その上に土をかけ、更に枝が見えなくなるぐらいまで、土を重ねる。肝心なのは、その後の「洗い出し」という作業だ。おもむろに、少しづつ土を払って、枝の一部を出していく。これは、私の言うところの「出現するアート」ではないか。改めて、植物のプロ・東久志の協働に、心から感謝する次第です。

『Future Compass: rooted water
未来羅針盤:多根の水』のコンセプトは、
水と植物の間の深遠な関係に起源している。
植物の保持と水の管理を通じてのみ、
我々は持続可能な未来を描くことが
可能だろう。
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