
5Greenscapes 『不忍・緑・五景』
Shinobazu Pond, Ueno Park, Tokyo, Japan 2012
第29回全国都市緑化フェア TOKYO 2012、上の公演不忍池、東京
東京都からの依頼で、全国都市緑化フェアの一環として、上野公園不忍池全体を使って、
プロジェクトを展開。蓮池を刈って、4本の「水の道」を造り、それぞれに異なる風景を出現させた。制作参加者は、500人以上。観客は、1ヶ月で100万人超、という、東京都の報告。100年に一度のビッグ・プロジェクトと評された。(ArtCrossing創刊号より)





Water Wheel
五景<輪之景>
一景・望之景
1st Greenscape Waterway Viewing

東京に繁茂する葦を採って作った、3つの大きな輪っか「望の輪」。

その間に浮遊する、不忍池の蓮の花の拡大写真。
「望の輪」越しに見ると、万華鏡のような夢幻な世界に、彷徨いこんだような気分に。

川に、汚染された水を流す。有害なゴミを投げ捨てる。PM2.5を含む排気ガスを噴出する。たいしたことではないと思いがちな身近な出来事が、地球上の遠くの人たちを苦しめ、地球環境に深刻な影響を与える。かつてははるか遠方にあった出来事が、ひとり一人の日常と、隣り合わせにある。地球が小さくなったわけではないから、ひとり一人が地球サイズの意識をまとわなければならなくなった。
三景・動之景
3rd Greenscape Waterway Cruising

20年後、30年後の不忍池、そして東京は、どのような風景なのだろうか? <未来の方船>と
呼ばれる三景には、未来へのひとりひとりのの想い、願い、希望が積み荷として集積されている。

三景に近づくと、膨大な数の想像力が集積していることがわかる。忍岡中学校一年生、シニア・ボランティア、千葉大短期交換留学生たち、不忍池周辺の子供たち、八王子からのグループなど。ブラジル、モンゴル、韓国、ジンバウエなど、さまざまな国籍のサポーターたち。実に、
延べ500人を超えるという想像力の集積だ。ひとつひとつの異なる細胞が集まって、ひとつの新しい生命体が生まれる、新しい民主主義の出現。そんな確かな手応えが残った。